夏なのでホラーについて話したい『残穢』について②
ええと、昨日の話はなんでしたっけ。
たぶん要約すると、
・ホラーの肝であるのは『親近感』である。
・『親近感』をうまく込めていて、好きな作品が小野不由美『残穢』
・その『親近感』とは呪いと穢れという面白い思想でも説明できる
という話で呪いが日本人にとっては怖いものだよね。というところまでは行きました。
次は『穢れ』についてです。
穢れというのは簡単にいうと目に見えない汚れという感じです。
もっとわかりやすくいうと、
唐突すぎますが
例えばおじさんの唾液を試験管に採取します。
んで、その試験管の中にある液体と全く同じ材料でできた液体とつくるとする。
これ物質的には全く同じものなんですが、おじさんの唾液の方がいやだよね。
ということです。物質的には全く同じはずなのに、目に見えない嫌さがある。
これが穢れってものです。
穢れは日本に限った話ではないといことが穢れという言葉の意味からわかります。
穢れの意味は調べるとこんな感じです。
穢れ(けがれ)とは、忌まわしく思われる不浄な状態。死・疫病・性交などによって生じ、共同体に異常をもたらすと信じられ避けられる[1]。
キリスト教でも婚前の性交は穢れとされ、避けられているので、
日本独自の思想ではないです。が、世界共通の考え方です。たぶんね。
残穢の物語中で、怪奇現象に悩まされるとあるアパートの住人がでてきます。
物語の中で、この怪奇現象の原因はアパートの梁に使われている、木材に穢れがあったという記述があります。
実は梁に使われていた木材は、昔大量の死者を出した事故現場にあった木材だった、というオチです。
これってとても非科学的は話ですが、なんとなく自分の家がもしそうだったら…と考えたりしちゃうと思います。でも、この物語を知らなけらばこのような感情はいだかないと思います。
このように残穢の中で出てくる記述の中には、一見物語の設定だったはずなのに、一気にリアルの日常に迫ってくる、またはそう想起させるものがあります。
これが親近感なのだと思います。
呪い という日本人がよくないイメージでみんなが信じているもの
と
穢れ という一気に日常にせまる嫌な刷り込み
この二つによって残穢は物語の中にとどまらず、日常に恐怖というスパイスを加えているのだと思います。
みなさん『残穢』傑作なので、ホラーに興味があれば是非
ちょっと後ほど加筆します。